明治38年に創業したこの蔵は、温泉街・指宿の静かな民家の中で家族経営により細く長く続いてきた小さな酒蔵である。創業当初の代表銘柄は「さつま白雪」だったが、平成15年、四代目俊公が二代目利八の不屈の精神に敬意を表し、代表銘柄を「利八」と命名した。二代目利八は30代で半身不随となりながらも家業を支え続け、その精神が後世に受け継がれている。 同社の焼酎は、さつま芋発祥の地である南薩摩産のさつま芋を原料に、塩分やミネラルを豊富に含む地下水を仕込み水として使用している。さらに、温暖な気候の指宿で明治時代から伝わる和甕を用いて仕込まれる。創業当時から変わらない味へのこだわりと家業として代々受け継がれた伝統を守り、大量生産に頼らず、製造からラベル貼りまで一つひとつ手作業で丁寧に行っている。このように手間暇をかけ、愛情を注いで造られた焼酎「利八」は、深い味わいが楽しめる逸品である。