三重県四日市市楠町にある宮﨑本店は、鈴鹿山系から湧き出る清らかな伏流水を利用し、酒造りに適した環境の中で1846年より創業してきました。かつて30以上の酒蔵が並んでいたこの地で、現在では宮﨑本店がその全てを引き継ぎ、8000坪にわたる大規模な蔵を構えています。昭和初期に建設された貯蔵庫や倉庫は黒壁が重厚で、甘い香りが漂い、歴史ある酒造りの雰囲気を伝えています。 宮﨑本店の酒「宮の雪」は、鈴鹿山脈の伏流水と厳選した自然の原料を用いて醸されますが、原料の状態は一定ではなく、その都度浸水や麹の管理を調整し、日々試行錯誤を重ねています。2018年には新蔵が完成し、小仕込みが増えたことで、より手間と愛情を注いだ酒造りが可能になりました。また、設備の数値化により、長年培われた技術と味が一層の精度で継承されています。伝統を守りながらも時代の変化に合わせ、新しい味への挑戦を続ける宮﨑本店は、品質本位を貫きつつ、日常から特別な場面まで楽しめる日本酒の提供に努めています。